2007年4月17日火曜日

当麻農協の「セクハラ」問題について

 北海道上川郡当麻町にある当麻農協のセクハラ事件がメディアで話題になっている。
 詳細は、『北海道新聞』電子版で下記のように報道している。

 当麻農協をセクハラ提訴 職員ら女性2人 前組合長、課長相手取り(04/08 06:45)
 【当麻】上川管内当麻町の当麻農協(組合員千三百二十六人)の前組合長(60)と課長(44)から、セクハラ(性的嫌がらせ)行為や暴言を受けたとして、職員と元職員の女性二人が七日までに、同農協と前組合長、課長を相手取り、総額約一千万円の損害賠償を求める訴えを旭川地裁に起こした。
 訴えによると、女性二人は二○○五年三月から○六年十月にかけて、勤務中や宴会の席で、前組合長や課長から執拗(しつよう)にみだらな言葉を言われたり、体を触られたりした。抵抗すると課長から「何だ、この野郎」などと暴言を吐かれたこともあったという。
 二人は他の幹部職員らに被害を訴えたが放置され、一人が耐えきれず、昨年末に退職した。
 二人の代理人の弁護士は「上司と部下という関係を悪用した屈辱的な行為。被害を訴えても取り合わなかった組織全体の責任も重い」と主張。同農協の常務理事は「訴状を確認しておらず、コメントは差し控えたい」とし、同農協の顧問弁護士で、前組合長と課長の代理人も務める予定の弁護士は「訴えの内容を精査していないので、話はできない」としている。
 前組合長は一身上の都合を理由に三月二十七日付で辞任。女性の一人は二月、強制わいせつ容疑で前組合長と課長を旭川中央署に告訴している。

 セクハラ「あった」 職員ら提訴された当麻農協が認める(04/17 07:09)
 【当麻】上川管内当麻町の当麻農協(組合員千三百二十六人)の前組合長らを相手取りセクハラ(性的嫌がらせ)行為などで、職員と元職員の女性二人が損害賠償請求した問題で、同農協の川上敏明組合長は十六日、同農協で記者会見し、「セクハラ行為はあったように思われる」と認め、謝罪した。女性二人とは弁護士を介し、和解を求めていく考えを示した。
 同農協は、三月下旬に理事らで構成する特別調査委を設置し、職員へのアンケートや聞き取りで詳細について調査中と説明。提訴された内容の実態について川上組合長は「調査委が把握しており、(内容は)見ていない」とするにとどまった。
 同農協は二○○六年にセクハラ相談窓口を設置したが、上田哲雄常務は「認識が甘く、機能していなかった」と述べた。
 女性二人は勤務中や宴会の席で、前組合長(60)と課長(44)から執拗(しつよう)にみだらな言葉をかけられたり、体を触られたとして、同農協と前組合長、課長に対して総額約一千万円の損害賠償を求める訴えを旭川地裁に起こしている。

 今朝(4月17日)、テレビ朝日スーパーモーニングでも、この問題をとりあげていた。

 こうした問題を見聞きするたび、「セクハラ」と呼ぶことで問題を矮小化してしまっているのではないか、と思ってしまう。

 「セクハラ」ではなく、「強制猥褻事件」「準強姦事件」と呼ばなければ、問題(事件)を的確に捉えられないのではないか、と思うのである。

 「セクハラ(sexual harassment)」の訳語が一般的には「性的嫌がらせ」になっている現状では、この当麻農協職員らのおこないを「セクハラ」と言うのでは、たんなる「嫌がらせ」という枠の中に収めてしまう危うさがある。

 「~ハラ」と言う表現で、これまで隠蔽されてきた問題に光をあてることができたという意義は大きい。しかし同時に、同じ「~ハラ」という表現で、問題を矮小化し過小評価することにもつながっている面を見逃すべきではない。

 当麻農協のセクハラ問題が、地元でどれほど深刻に受けとめられているか知ることができない。当麻町でつくられた農産物は買わない、当麻農協が出荷する商品は買わない、といった動きが広がらない限り、当麻農協も地元の生産者も、この問題がどれだけ悪辣なものか、わからないのではないだろうか? 

 買い物をするときには北海道の「当麻」という地名に注意して、そこからやってきたものを買わないようにする。こうした不買の動きが広がることこそ、問題解決に向けたもっとも効果的な方法ではないか、と思うのだが。

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